汽車土瓶の話
モロゾフのプリン。
マリベルの焼き菓子缶。
桐箱入りのそうめん。
昔からある、一般家庭にとってはちょっぴり贅沢な食料品。
手土産にいただくと、袋を見ただけでワクワクして、食べた後にも残るオシャレな容器が、ちょっとハイソな気持ちの余韻に浸らせてくれたりします。
ところで、消費した後に残る丈夫な容器って、近頃かなり減りましたね。
昔は庶民的な商品もしっかりした瓶にはいったものか、新聞に包んだようなものかのどちらかだった気がします。
親世代に話を聞くと、たかだか30年ほどの差で絶滅した容器や道具の話だけでもものすごいジェネレーションギャップを感じます。
醤油の一升瓶。
パフパフ鳴らしながら回ってくる豆腐屋さん。
汽車土瓶。
…きしゃどびん??
年配の方から聞いた、お茶のペットボトルが売っていなかった時代の旅先での飲料事情が面白かったので調べてみました。
汽車土瓶とは
その方いわく、自分たちの時代にはペットボトルがなかったのでポリ瓶に入ったお茶を買っていた。
それ以前は土瓶入りのお茶が売っていた。蓋がそのまま湯飲みになるという機能的なつくりで、なんと使い捨てにしていたのだとか。
陶器の土瓶使い捨てとはなんとリッチな!
ということで興味がわき、調べてみることに。
歴史的には明治時代にさかのぼり、駅弁の販売が開始された頃に飲料が必要になったため、静岡駅で土瓶入りのお茶が販売されるようになったのが始まりとのこと。
それが全国に広がり、販売箇所によって土瓶のデザインが違ったり販売駅名が記入されたものが売っていたりとバラエティに富んでいたようです。
外見的には…ありました、今でも製造されているとは。
(ちょっと欲しいかも…うちの家、急須ないし…)
そして、なんと山梨県には今でも販売している駅があるらしいです!現存唯一!
購入された方のレビューもありました。興味ある方はググってみてください。
いいないいなー。私も行ってわざわざ「土瓶入りのお茶を買う」というアクティビティを体験したいけど、ちょっと京都から子連れで行くには遠いし家族のコンセンサスも得づらそうだなー。
個人的には何かの容器は残しておいても結局使わない確率が高いので残らなくても良い派なのだけれども、旅の証としてこういうものが手元に残るとなんだか特別な感じがしますね。