とうにゅうあり

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外国人割合が過去最高に…京都市のインバウンド事情について感じること

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まずこちらのニュース。京都市に訪れる観光客の外国人割合が過去最高になったのだそうです。

 

 

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その一方で日本人離れが進んでいるという話もあります。昨年の京都市の統計では、宿泊者数は増えたが日帰り客は微減したとの結果が出ています。これまでずっと右肩上がりでありましたが、業界関係者はそろそろ冷静に対策を打つべきではないでしょうか。

合わせて、満足度も下がっているとのデータも示されており、こちらは主に混雑が理由。

昨今の激混み具合では無理もないと地元民としては実感します。宿も取れないし、バス停で待っていても来たバスには混みすぎていて乗れない。タクシーを使うにもえげつない渋滞に巻き込まれ、お目当の観光地では混雑のためなかなか入場できず、やっとの事で入っても外国語が飛び交っていて日本人にとっては落ち着かない…という状態が知れ渡りつつあるのでしょう。もともと桜・紅葉の時期はそういう傾向がありましたが、近年とみに悪化しています。

数年前から、量から質への転換をと行政が主張していますが、現状は逆行しているように感じてなりません。

 

先の統計で宿泊者数がふえているのは、簡易宿所が爆発的に増えて、単価の安い旅行客の流入が多いのも原因ではないでしょうか。

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これは京都市のホームページに載っていた宿泊施設数統計です。簡易宿所に関しては、昨年末で平成26年の460件からからなんと2851件までと5倍以上に増えている。室数は約3倍の9,247室(29年現在)。当初に比べ小規模な施設が増えていることがわかります。実感としても、街中の民家を改装したようなところが本当に増えました。

簡易宿所や民泊は槍玉に挙げられがちですが、ホテルに比べ滞在日数が長い傾向があるため市内各地に落ちるお金は多いと推測されます。また、町家タイプの施設は京都マニアにはホテルよりも好まれるとも聞きます。

 

一方で、行政は富裕層向け高級ホテルをまだまだ誘致したいと公言しています。これも昨年末の記事。

s.kyoto-np.jp

なんだか、信用第一、有力者からの紹介ならオーケーの「一見さんお断り」を市をあげて進めているようで、個人的にはいやらしいなあと思ったりする次第であります。。

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富裕層を呼び込みたいと思うならハコを増やすだけではなく、もっと文化について予算をつける、文化財保護や街並みや京町家の保全について真剣に考えることが必然です。下鴨神社の境内のマンション建設や歴史ある京町家の取り壊しなどは、どれも所有者が維持できなくなったために苦渋の決断をしたものですから、その辺りのサポートを早急に整えるべき。でなければ、どんどん魅力のない街になり富裕層どころか誰も来てくれなくなってしまいます。再三言われていることですが…

 

参考:

京都観光総合調査